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【イキマネコラムvol.28】<実例>育休明けの仕事にやる気が出ない

[公開日] [最終更新日]2020/07/09

【イキマネコラムvol.8】女性の相談事は解決策を求めていない

『イキマネ』とは、女性が「イキイキ」「活きる」マネジメントのこと。
組織の中で女性本来の良さが発揮できるマネジメントを目指すこの手法について、ハピレボプロデューサーであり、株式会社オフィスat 専務取締役の阿部博美氏による連載記事を配信します。
(※)このコラムでは、イクボスを推進するプロジェクトメンバーによる寄稿記事を配信しています(記事一覧)。

 




今回のコラムでは、出産後に職場復帰した女性の実例を取り上げ、組織における課題や上司の立場からどのように向き合えばよいかを解説します。

概要

  • Kさん:30歳、女性 家族:夫と1歳の娘。
  • 印刷会社で営業として7年働いてきた。昨年出産して今年4月から職場復帰。復帰後、時短勤務で働いているが、今は簡単なルーチン業務のみで、誰にも期待されずモチベーションが上がりません。

Kさんの悩み

今年の春から子どもを保育園に預け職場復帰しました。復職して半年、気持ちの置き所がなく困っています。

育休前は担当を持っており、上司からも期待されていると感じながらモチベーション高く仕事をしていました。評価も高く周囲からも頼られている感があり、満足していました。

ところが復職して与えられた仕事は簡単なルーチン業務のみで、7年目の私なら3時間あれば十分な仕事量なんです。

時短でも精一杯働こうと、子どもの急な熱が出た時のために、病児保育や夫との連携など、職場に穴をあけない準備をしっかり整えてきたのですが、それも必要ない感じです。現状、急に休んでも誰も困らないと思います。

同じ部署に元々サポート的な仕事をしていた女性がいて、1年前に育休明けで同じように時短勤務しています。彼女は、その環境でのんびり与えられた仕事だけで両立しています。でも、その人と私は違います。私は、ありがたい環境だと思う一方で、仕事にやりがいを感じられず、社内ニート状態で悶々としています。

先日上司と半期に一度の面談があり、仕事量をもっと増やしてほしいと相談しました。でも「時短で1歳の子がいて残業不可の女性社員に、これ以上仕事を与えられない、キャリアはしばらく諦めた方がいい」と言われてしまいました。

同じチームには猛烈に残業している人がいて、私は手持無沙汰なんです。「何か手伝いましょうか」と言っても「大丈夫です」と断られてしまいます。辛いというより肩身が狭いです。なんのために仕事しているんだろう???と分からなくなりました。入社以来、仕事が楽しくて、ずっと続けていきたいと思って頑張ってきたのに???。

 

これがいわゆる「マミートラック」です。

🔗【イキマネコラムvol.24】育休から復帰した女性にかける言葉次第で陥る『マミートラック』にご注意を

ここで問題なのは圧倒的なコミュニケーション不足と上司の認識不足です。半年後の面談は遅すぎますし、育児女性への認識があまりにステレオタイプ過ぎます。

この会社の中には「健康でフルタイム以上戦える」という、ワンパターンの働き方しかないようです。そこの当てはまらないものは、面倒なので蓋をして避けておこう、そんな社風が見え隠れします。仕事は属人的であり、一人ひとりが自分のことしか考えていない、そんな風にも読み取れます。

実際、もし彼女の想いを受け止めて責任ある仕事を任せてみたとして、もしかすると上手くいかないこともあるかも知れません。それでも、じゃあどうやったらうまくいくのか、チーム全体でフォローできることはないのか、そんなことを繰り返し経験していくことで、強いチームに成長していくのだと思います。ましてや、こんなにヤル気のある社員が退職するようなことがあれば、会社にとって大きな損失であり上司失格です。

制約を抱える社員は育児中の女性だけではありません。病気を抱えている人、親の介護をしている人、様々に制限を抱える人はこれからますます増えていきます。誰がなっても慌てないように、様々なパターンに慣れておくことが生き残りのカギではないでしょうか。

 

👉今回のPOINT

1.ステレオタイプを捨てて、その人個人とじっくり向き合う
2.トライ&エラーを繰り返してチームは強くなる
3.制約社員への対応力が生き残りのカギ

 

 

このコラムでは、組織の中で起きがちなミスコミュニケーションを軸に、様々なポイントやコツをお伝えします。ぜひ違いを知って、新しい視点を楽しんでみてください。

そして、女性たちが存分に能力を発揮でき頼もしい戦力となることで、力強い組織となるためのサポートとなればと思います。

 




<阿部博美?プロフィール>

阿部博美
株式会社オフィスat 専務取締役/ハピレボプロデューサー。産業カウンセラー、キャリアコンサルタント。

自称「女ゴコロ翻訳家」。男女の本能からくる意識や行動の違いを、様々な具体的場面に落とし込み、お互いの理解を深め相乗効果を上げることを目指す。企業活動の中では、女性客の本音を翻訳しマーケティング設計に繋げ、組織の中では、お互いの強みを活かし合える風土づくりに繋げている。
現在、女性目線を専門とするマーケティング会社を経営。商品やサービスについてはもちろん、近年は採用ブランディングや女性活躍推進の相談を多く受けている。それらの中で、女性社員や外部の主婦など、女性チームをマネジメントする場も多い。新卒から15年間携わった人材派遣業界での女性マネジメントや、派遣先企業と派遣スタッフとの間での翻訳経験が非常に役立っている。